2005.10.7
Enabling View-Dependent Stereoscopic Projection in Real
Environments
Oliver Bimber, Gordon Wetzstein,
Andreas Emmerling and Christian Nitschke
International
Symposium on Mixed and Augmented Reality 2005
(ISMAR'05)
近年,2次元や3次元のコンテンツ表示に有用なprojector-based
displayの研究が進められている.本論文では形状や色,テクスチャを持つ日常的な環境中に,これらの影響と視点を考慮して望みの画像を表示するシステムを紹介する.例として,建築物や美術館に適用した結果を示している.
(発表者:植田 久美子 )
The Haptic Display of Complex Graphical Environments
Diego C. Ruspini, Krasimir Kolarov and
Oussama Khatib
Proceedings SIGGRAPH
97
ハプティックシステムをグラフィックシステムに統合することは複雑な仮想環境を直感的に捉えるために大変有効であり,ハプティックシステムにおいても一般的にグラフィックシステムに用いられるような複雑なオブジェクト群を扱う必要がある.そこで,本論文では複雑な環境のハプティックレンダリングを可能にするための手法を提案する.
(発表者:遠藤 恒文 )
2005.10.14
Active Contours Without Edges
T. F. Chan and L. A. Vesse
IEEE
Transaction on Image Processing 2001
本論文ではMumford-Shah
funactionalとlevel setを基にした新しい動的輪郭モデルを提案する.提案する手法により従来のsnakesやlevel
setのようにエッジを検出を行わずに画像のセグメンテーションが行える.本手法は初期形状の位置,数によらず,さらにlevel set
basedなためトポロジーの変化も扱えるモデルである.本手法によりsnake等のエッジ検出手法では扱えない画像のセグメンテーションが可能となった.
(発表者:奥井 雅博 )
Super-Resolution Enhancement of Video
Christopher M. Bishop, Andrew Blake, Bhaskara
Marthi
Proceedings Ninth International Conference on
Artificial Intelligence and Statistics,
2003.
本論文では知覚的にもっともらしい高周波成分を追加することにより,ビデオの超解像処理を行う.この高周波成分の追加は事前のパッチ画像の学習に基づいて行われる.また,ビデオの連続するフレーム間の整合性を考慮に入れることで,動画像としての画質向上を目指す.
(発表者:上村 健二 )
Object-based Visual Attention: a Model for a Behaving
Robot
F. Orabona, G. Metta, G.
Sandini
3rd International Workshop on Attention and
Performance in Computational
Vision
視覚を論ずる時には,適当な関心点の場所を考える事が重要である.この論文では,ロボットへの実装を考慮し,object-basedなSalience
Map(要点領域)を作成する方法を提案している.入力画像を反対色成分に変換し,物体の抽出に使うことで,目立つ色を持つ物体に関心が集まるようにしている.またその際,xyのデカルト座標をrθの極座標に変換,さらにrのlogを取ることで得られるlog-polar座標を用いて物体認識を行っている.この座標変換はは網膜から視覚野への変換を表している.
(発表者:中川 慎司 )
2005.10.21
Robust
Full-Motion Recovery of Head by Dynamic Templates and Re-registration
Techniques
Jing Xiao, Takeo Kanade, Jeffrey F. Cohn
International Journal of Imaging Systems and Technology, Vol. 13,
September, 2003, pp. 85 - 94.
この論文では透視投影下での頭部の動作を再現する円筒モデル主体の手法を提案する.この手法はメインの3つの技術,非剛体変形やオクルージョンを扱うための反復重みつき最小二乗法,照明変化や自己遮蔽を扱うための動的テンプレート更新,誤差修正のための再位置合わせ, により高いロバスト性を持つ.
(発表者:牧野 貴雄)
Rapid Shape Acquisition Using Color Structured Light and
Multi-pass Dynamic Programming
Li Zhang,
Brian Curless, and Steven M. Seitz
Proceedings of the 1st
International Symposium on 3D Data Processing, Visualization, and Transmission
(3DPVT),
2002
プロジェクタなどを用いて物体へ何らかのルールに従ったパターンを投影し,それをカメラで撮影して三次元形状を復元する手法は"structured
light
technique"などと呼ばれる.本論文では,カラーの縞模様を投影し,投影パターンと画像内のエッジを,動的計画法を複数回行うことで対応付ける.これにより,従来の三次元形状復元によく見られる「単一で滑らかな物体である」などの制限をある程度無くすことに成功している.論文では,動く物体をスキャンするため1種類の投影パターンから高速に形状復元を行う方法と,動かない物体を高解像にスキャンするため縞模様を移動させながら複数の画像を撮影する方法の,二つについて述べている.後者では"spacetime
analysis"をピクセル毎に適用し,距離情報を局所的に修正している.
(発表者:小石 毅 )
Color Change Due to a Varnish Layer
Lionel Simonot, Mady Elias
Color Research & Application Volume 29, Issue 3, Date: June 2004, Pages: 196-204
ニスは,印刷においてつやを出すためやインキの保護のために用いられる.しかし,ニスを塗ることによる色変わりが問題となる.そのため,インキにニスを塗った場合の色の見えモデルの研究が行われている.従来はニスとインキの境界面の多重反射を考慮するものであったが,本論文では,ニスを塗らないインキとニスを塗ったインキに色度座標で線形な関係があることに着目して,モデル化を行っている.
(発表者:荒川 明 )
2005.10.28
Virtual Pneumoperitoneum for Generating Virtual Laparoscopic Views Based on Volumetric Deformation
Takayuki Kitasaka, Kensaku Mori, Yuichiro Hayashi, Yasuhito Suenaga, Makoto Hashizume, and Jun-ichiro Toriwaki
MEDICAL Image Computing and Computer-Assisted Intervention 2004
仮想腹腔鏡画像の作成は,術中支援,または術前計画に非常に有用である.本論文では,ボリューム変形に基づいた仮想腹腔鏡画像を作成する手法を提案する.本手法では,3D腹部CT画像を変形させ,腹部内壁を仮想的に引き上げることにより仮想腹腔鏡画像作成する.
(発表者:牛木 卓
)
Efficiently Combining Positions and Normals for Precise 3D Geometry
Diego Nehab, Szymon Rusinkiewicz, James Davis, Ravi Ramamoorthi
ACM Transactions on Graphics (SIGGRAPH 2005), August 2005
本論文では実物体から正確な3Dモデルを得るための手法を述べる.一般に3Dモデルは3次元空間での位置(position)と法線(normal)の情報を必要とする.位置のみから法線を推定する手法では位置のエラーが法線にも影響を与える.そこで,位置測定とは独立にphotometric stereoなどを用いて法線を測定し,それぞれのエラー対周波数特性が異なることを利用して,これらを効果的に組合せることで最適なサーフェスを生成するアルゴリズムを提案する.それぞれを独立に利用してレンダリングする場合より正確なサーフェスが生成される.
(発表者:落合 桂一 )
Compression and real-time Rendering of measured BTFs using local PCA
Gero Muller, Jan Meseth, Reinhard Klein
Proceedings of Vision, Modeling and Visualisation, November 2003, pages 271-280
Bidirectional Texture Function(BTF)は光源,視点変化に伴う表面細部の構造の適切な表現法である.6次元であるBTFデータは膨大なメモリを必要とするので,適切な近似が必要となる.本論文では,BRDF方式の配列データとローカルPCAの統合を用い,より少ないメモリで同等の質を達成するBTFの圧縮とリアルタイムレンダリングの新しいアプローチ法を提案する.
(発表者:小原 真宝 )
2005.11.11
Six-Degree-of-Freedom Haptic Rendering Using Voxel Sampling
William A. McNeely
SIGGRAPH 1999 the 26th annual conference on Computer graphics and interactive techniques
汎用的になった6自由度の触覚を提示できるPHANTOMを用いて,
単純で,速い,近似的なボクセルデータに基づいた6自由度の触覚レンダリングのモデルを提案する.
(発表者:川口 泰弘
)
An Estimation/Correction Algorithm for Detecting Bone Edges in CT Images
W.Yao, P.Abolmesumi, Member, IEEE, M.Greenspan, Member, IEEE, and R.E.Ellis*, Member, IEEE
IEEE Transaction on Medical Imaging, Vol.24, No.8, August 2005
CT画像において骨を領域分割する際,その輪郭の法線方向はアルゴリズムを補助する重要な情報である.しかし骨の大きさは様々でありその画素値も均一ではないため,単一の尺度による法線方向の推定は信頼性に欠ける.そこで本論文では,画像ごとに最適な尺度を決定し法線方向を推定,補正することを提案する.これによりエッジの誤抽出や不連続な輪郭を減らし,領域分割の結果を改善させている.
(発表者:川崎 将吾
)
An Imaging System with Calibrated Color Image Acquisition for Use in Dermatology
Yves Vander Haeghen, Jean Marie Andre Daniel Naeyaert, Ignace Lemahieu and Wilfried Philips
IEEE TRANSACTIONS ON MEDICAL IMAGING, VOL. 19, NO. 7, JULY 2000
本論文では,皮膚病,特に皮膚がんのリスクを負った患者の追跡調査において有効な画像化システムを提案する.24枚のマクベスカラーチェッカーパッチに基づいた5分間の画像化システムのキャリブレーションにより,未知の色空間RGBから色空間CIE XYZやCIE L*a*b*との関係が既知である色空間sRGBへの変換が可能となる.このsRGBへの変換によって,遠隔皮膚診断においての色変換にも応用されうる.
(発表者:小森 麻由
)
2005.11.18
Correlation between Perceived Motion Blur and MPRT Measurement
Jun Someya Advanced Technology R&D Center, Mitsubishi Electric Corp., Nagoya-city, Kyoto, Japan
2005 SID INTERNATIONAL SYMPOSIUM
本論文ではLCDの動画ぼやけを定量化するMPRT測定の理論に関する解説と,CRTとの比較による主観評価実験を絡めた測定法の妥当性の証明,データ処理における閾値設定に関する実験,及び階調パターンの組み合わせ毎に測定値が変化することの比較検証を行う.
(発表者:佐野 真一
)
Rigid Fluid: Animating the Interplay Between Rigid Bodies and Fluid
Mark Carlson, Peter J. Mucha and Greg Turk
ACM SIGGRAPH 2004
CGにおける従来の流体シミュレーションでは,流体と剛体は別々に扱われ,流体と剛体間の相互作用は片方向への作用のみを扱う,または相互作用は考えないとする場合が多かった.
本論文では,最初に剛体も流体の一部として扱い(Rigid Fluid),格子を用いたシミュレーションを行った後,剛体内部の領域に対して剛体を表す制約条件を適用することで,流体と剛体の双方向の相互作用を簡単かつ低負荷に実現する.
(発表者:濱野 量
)
Light Waving: Estimating Light Positions From Photographs Alone
Holger Winnemoller, Ankit Mohan, Jack Tumblin and Bruce Gooch
Eurographics 2005 Volume 24 Number 3, September 2005
BRDFなどの画像計測の際,必ず必要となる光源の位置情報はなんらかの機器(例,Light Stage)などを用いることで取得してきた.しかし,これらの機器はどの場所にもあるというものではなく,また計測の際綿密な位置合わせなどが必要であまり実用的ではない.本論文では,多変量解析法のひとつであるMDS(多次元的尺度構成法)を用いて撮影した画像群のみから光源の3次元位置の推定を行う.本論文の最大の利点は,特別な機器や綿密な位置合わせを必要としない簡易性があげられる.最後に本論文では,推定した光源の位置情報をもとにImage-basedな手法を用いて画像の再現を行っている.
(発表者:本間 隆介)
2005.12.2
Local Phase Coherence and the Perception of Blur
Zhou Wang and Eero P. Simoncelli
Advance in Neural Information Processing Systems (2004)
人間は画像のぼけを視覚系で感じることができるが,そのメカニズムは明らかでない.ぼけを感じるのは,画像の高周波エネルギーが減少するからであるというのが伝統的な見解である.本論文では,この見解の問題点について議論し,部分的位相成分の崩壊をぼけの知覚を理由づける代替案として提案する.
(発表者:浮島 正之
)
3D Video Fragments: Dynamic Point Samples for Real-time Free-Viewpoint Video
Stephan WurmlinEdouard LamborayMarkus GrossComputer Graphics LaboratoryETH Zurich, Switzerland
Computers & Graphics, Special Issue on Coding, Compression and Streaming Techniques for 3D and Multimedia Data
3次元各方向から映像を視聴できるview free(視点自由)ビデオを実現する手法として動点抽出のフレームワークとなる【3次元ビデオフラグメンテーション】を提案する.これはマルチカメラで取得した複数の2次元動画を画素単位で3次元の不規則な標本点へ一般化することによって,3次元動画の構成単位を確立する手法である.具体的には,2次元動画の各フレームで差分を取り3次元画像をアップデートすることで描画をリアルタイムで行う.このフラグメンテーションは2次元画像の扱いの単純性と3次元ポリゴンの情報の複雑性を併せ持ち,view freeビデオを構成する上で重要な役割を持つ.
(発表者:三好 大智
)
Lightcuts: A Scalable Approach to illuminaton
Bruce Walter, Sebastian Fernandez, Adam Arbree, Mike Donikian, Kavita Bala, Donald Greenberg
ACM SIGGRAPH 2005
近年CGの世界において,実世界の照明環境を正確にレンダリングしようといった研究が数多く行われている.一般的に,正確な照明環境の実現のためには多数の光源を使用しなければならないが,その計算コストは光源の数に比例して大きくなってしまう.本論文では多数の光源を効果的に扱うことの出来るLightcutsを提案する.この手法を用いることで正確な照明環境の近似を線形以下のコストで行うことが可能となる.またReconstruction cutsを提案し,複雑な照明においてアンチエリアシングな画像を高速に描画する.これらの手法を用いて様々な照明環境における正確な画像を実現する.
(発表者:滝口 貴裕
)
2005.12.9
Dynamic Shader Lamps: Painting on Movable Objects
Deepak Bandyopadhyay, Ramesh Rasker, Henry Fuchs
The Second IEEE and ACM International Symposium on Augmented Reality 2001(ISAR'01)
本論文では,動的な空間拡張現実システムの提案をおこなっている.これは,複数のプロジェクタを用いることで,あらかじめジオメトリが分かっている移動可能な3次元物体の,色やテクスチャを変化させることができるものである.これにより,リアルタイムにバーチャルの世界でのペイントやテクスチャを実物体上に付加することが可能となる.システムは実物体と「ペイントブラシ」となるスタイラスを直接操作するだけでよく,さまざまな応用が考えられる.
(発表者:鶴瀬 麻依子
)
Performance Relighting and Reflectance Transformation with Time-Multiplexed Illumination
Andreas Wenger, Andrew Gardner, Chris Tchou, Jonas Unger, Tim Hawkins and Paul Debevec
Proc. of ACM SIGGRAPH 2005, Vol.23, No.3, pp.756-764, July 2005
ついにLight Stageがバージョン5に!バージョン1やSpiderman2で使用されたバージョン2では顔を固定してその反射特性を計測,バージョン3では顔を固定することなく,任意環境光を顔に投影し,その環境下における顔の見えをリアルタイムに再現した.バージョン5では高速撮影ビデオカメラで任意方向から照らされた顔を撮影し,後処理において撮影された多数の画像から顔の法線,反射率,オクルージョンの推定や顔の動き補正などを行った.これにより任意環境下において様々なエフェクトをかけた顔動画像を再現することが可能になった.
(発表者:高瀬 紘一
)
Real-Time Subspace Integration for St.Venant-Kirchhoff Deformable Models
jernej Barbic, Doug James
SIGGRAPH 2005
本論文は非線形変形物体の再現を高速数値積分法により実現する方法を提案する.複雑な形状の物体を構築するために物体の次元削減を行う.線形性をもつ材料でできていて大きく変形する物体のモデル削減ではreduced-coordinateでは3次多項式の内力モデルとなる.これらの多項式の係数は前計算することができる.これによりNewmark法を用いて積分を高速に行うことができる.
(発表者:松隈 ちひろ
)
2005.12.16
Light Diffusion in Multi-Layered Translucent Materials
Craig Donner, Henrik Wann Jensen
SIGGRAPH2005
本論文では,2001年にJensenらによって考案されたdipole近似に基づくsubsurface scattering(SSS)のモデルを改善し,多層構造の物体への対応を行う.dipole(正と負の仮想点光源)を用いたSSSの近似では,領域境界面上でエネルギー保存の法則を成り立たせる必要がある.一組のdipoleでは1つの境界面上でしかエネルギー保存の法則を成り立たせられないため,従来法では物体表面下に無限に広がった領域を仮定していた.本論文では,Multipole(複数組のdipole)を用いることで領域の上下の境界面上でエネルギー保存の法則を成立させた.これにより,物体の透過率を近似可能になったため,多層構造の物体への対応が可能になった.
(発表者:川添 大介
)
Geometric Context from a Single Image
Derek Hoiem, Alexei A.Efros, Martial Herbert
Tenth IEEE International Conference on Computer Vision (ICCV2005)
本論文ではシーンの幾何学的な構造特性をGeometric Classにより推定する手法を提案する.Geometric Classは1枚の画像内における領域(物体)とその3次元での位置付けを表す.この手法を用いることで,物体検出や1枚の画像から3次元を復元することが出来る.
(発表者:平井 経太
)