2011.10.07

Toward Evaluating Material Design Interface Paradigms for Novice Users

William B. Kerr, Fabio Pellacini

ACM Transactions on Graphics, 2010

本研究は初心者でも直観的に材料設計が行えるユーザ学習型インターフェースについて考察を行う.インターフェースは物理的パラメータと知覚的パラメータの設定,用意された多数の材質画像のサムネイルから選択させる画像ナビゲータの3つを用いる.これらの操作により双方向反射分布関数(BRDF)のパラメータを決定する.

(発表者:澤邉 暢志)

Automatic construction of image Transformation Algorithms Using Feature Based Genetic Image Network

Yuta Nakano, Shinichi Shirakawa, Noriko Yata, Tomoharu Nagao

IEEE Congress on Evolutionary Computation 2010 (CEC '10)

画像処理アルゴリズムの自動構築により,入力画像と目標画像から,既知の単純な画像処理フィルタを組み合わせて実現したい未知の画像変換を行うことができる.本研究では,入力画像の局所特徴量を利用した適応的フィルタを提案する.これを画像処理の自動構築アルゴリズムの一つであるFeed-forward genetic image network(FFGIN)に適用することで, PET画像から複数の組織を抽出する効果的なアルゴリズムを構築することができた.

(発表者:清水 博亮)


2011.10.14

Automatic High Dynamic Range Image Generation for Dynamic Scenes

Jacobs, K. Loscos, C. Ward, G.

IEEE Computer Graphics and Applications, March-April 2008 pp84-93

従来のダイナミックレンジ合成技術は合成する低ダイナミックレンジ(LDR)画像が静止していることが前提条件である. しかし,この手法はHDR画像処理の応用分野に限界をもたらしている. そこで本研究ではLDR画像同士のの位置合わせ及び,HDR画像を作成した際のゴースト除去という二つの観点を考慮して, 動的環境を持つ複数枚のLDR画像から正確なHDR画像を自動的に作成する手法を提案する.

(発表者:三上 俊彰)

A Practical Appearance Model for Dynamic Facial Color

Jorge Jimenez,Timothy Scully,Nuno Barbosa,Craig Donner,Xenxo Alvarez,Teresa Vieirak,Paul Matts,Verónica Orvalho, Diego Gutierrez, Tim Weyrich

ACM SIGGRAPH Asia 2010

顔の質感は物理的もしくは生理的な皮膚の状態に依存し,皮膚の質感は一定の流動(変化)を持っている.これらの変化の主要な変化の1つは皮膚の色である. 皮膚の色は,皮膚層内での光の散乱と吸収で決定され,2つの色素(メラニンとヘモグロビン)の濃度に起因する. 本論文では,推定されたメラニン濃度とヘモグロビン濃度を基皮膚のリアルタイムで動的な質感モデルを提案する. そして,提案したモデルを用いて,5つの表情(笑顔,怒り,普通,恐怖,嫌悪)の動的な再現を行う.

(発表者:藤原 伊純)


2011.10.21

A System for Capturing Textured 3D Shapes based on One-shot Grid Pattern with Multi-band Camera and Infrared Projector

Sakashita, K. Yagi, Y. Sagawa, R. Furukawa, R. Kawasaki, H.

3D Imaging, Modeling, Processing, Visualization and Transmission (3DIMPVT), 2011

近年,動物体の3次元形状を高フレームレートで計測する多くの方法が提案されている.3次元形状計測法の1つに,構造化光パターンを用いたプロジェクタ・カメラシステムがある.この手法には,プロジェクタからの照明によってテクスチャが干渉を受けるため,同時にテクスチャを取得できないという問題がある.そこで本論文では,形状計測に用いる波長とテクスチャ計測に用いる波長を分離することにより,この問題を解決する.パターン光は近赤外光を用いて投影し,テクスチャは可視光を用いて取得する.このことを行うために同一視点から可視光と近赤外光を取得するマルチバンドカメラを試作した.さらに,複数の光の波長を用いた3 次元形状計測を行うために,マルチバンドグリッドパターンを作り出す近赤外光パターンプロジェクタを試作した.実験では,本システムから獲得したテクスチャ付き3次元形状を示す.


(発表者:石井 慎太郎)

Retrieving skin properties from in vivo spectral reflectance measurements

Dmitry Yudovsky and Laurent Pilon

Journal of BIOPHOTONICS

著者らは2009年に肌モデルから高速に肌の分光反射率をシミュレーションする方法を提案した.2010年に肌の分光反射率から肌の成分の量を計算する方法を提案した. これを用いて,本論文では実際に撮影された生体の肌の分光反射率から肌の各成分の量を計算し 過去の文献と照らしあわせて矛盾のないことを示す.


(発表者:渡辺 俊平)


2011.10.28

Monte Carlo simulation of photon migration in 3D turbid media accelerated by graphics processing units

Qianqian Fang and David A. Boas

Opt Express.2009 October 26;17(22)


3Dの不透明な媒質下で光子移動を行う時間経過モデルのモンテカルロシミュレーションについて、GPUを用いて高速化を行っている.GPUの言語環境はCUDAを用いている. 高速化を効率的に行うため、2種類の乱数発生器の調査を行い、最適な乱数発生器を選択し、また、光子の媒質下での境界衝突判定方法を変更している.その他、利用するメモリの最適化も行っている. 提案手法を用いて人間の脳のシミュレーションを行ったところ、速度、精度共に好ましい結果を得られた.
(発表者:豊田 彩織)

Pocket Reflectometry

Peiran Ren , Jiaping Wang, John Snyder, Xin Tong, Baining Guo

ACM SIGGRAPH 2011


本論文では,小型ツールを用いた簡単で高速な反射率の取得方法を提案する. この手法では,線光源を移動させながら対象物体とリファレンスとなるBRDFチャートのビデオを撮影する. これにより得られる対象物体とリファレンスの1Dの応答をワ―ピングを用いてマッチングさせることで, 光源と視線方向による対象物体上の空間的変化を補間する. 次に,対象物体上の各点に対応する拡散反射係数と鏡面反射係数の線形的な組み合わせを決定し, それと同じ重み付けを既知のBRDFリファレンスに適応することで対象物体のSVBRDFを求める. また,BRDFチャートを拡張させ表面法線の変化の再現も行う.
(発表者:馬場 佳織)

Visual Equivalence: Towards a New Standard for Image Fidelity

Ganesh Ramanarayanan,James Ferwerda,Bruce Walter,Kavita Bala

ACM SIGGRAPH 2007


複合的場面の,効率的かつリアルなレンダリングは,CGにおける主要な課題の一つである. この課題への取り組みとして,人間の視覚限界を利用した手法が発展している. 現行の手法の多くは,生成画像が参照画像と見分けがつくかどうかを決定するために, Visible Differences Predictors(VDPs)と呼ばれる評価方法を用いている. しかしVDPsは,視覚的に重要ではない画像差についても判断材料とされるため,効率的とは言えない. そこで本研究では,新しい評価方法として,Visual Equivalence Predictors(VEPs)を提案する. 次に,VEPsの優位性を立証するための確認実験を行う. また,VEPsがどのようにレンダリングアルゴリズムの効率を向上させるのかを示す.
(発表者:細川 菜摘)


2011.11.18

Collaborative Personalization of Image Enhancement

Juan C. Caicedo, Ashish Kapoor, Sing Bing Kang

IEEE Conf. on Computer Vision and Pattern Recognition, 2011

近年ユーザによって画像補正の好みに違いがあることがわかってきている. 本論文では,ユーザによって異なる画像補正の好みをグループ化できるかどうかを検証する. また,協調フィルタリングに基づいてユーザ個人の好みを画像強調に反映させる手法を提案する. クラスター分析の結果,ユーザの画像補正の好みはグループ化できることがわかった. また,実験により,提案手法により補正された結果は従来の自動補正ツールより 画像補正のパラメータをよく推定出来ることがわかった.

(発表者:山内 拓也)

Mesh-based Monte Carlo method using fast ray-tracing in Plücker coordinates

Qianqian Fang

Biomedical Optics Express, Vol.1 No.1, 2010

筆者は複雑な三次元の生体組織内での,高速なメッシュベースMonteCarlo手法を開発した.この手法はプリュッカー座標を使用し,六面体の集合でモデルを表している.三次元ボクセルMonteCarlo手法と比較したとき優れた一致が見られ, また曲面境界や部分的に精密構造をもつモデルターゲットにおいてより正確であることがわかった.

(発表者:山内 緑)


2011.12.09

Dynamic Display of BRDFs

Matthias B. Hullin, Hendrik P.A. Lensch, Ramesh Raskar, Hans-Peter Seidel and Ivo Ihrke

Eurographics 2011

本論文では物理的に反射率を表示することに挑戦する. 反射率というのは一般的にはBRDFという言葉によって表現されるような,表面の見えや,観測者の位置と照明環境に伴う変化量である. 我々の提案する装置は液体表面に基づき構築する. そしてそこである程度の異方性のある粗さに変化させるために水面に波を発生させる. 結果的な表面法線の確率密度関数は従来のBRDFモデルによく似たガウス分布として示された.

(発表者:高野 塁)

Disparity, motion, and color information improve gloss constancy performance

Gunnar Wendt,Franz Faul,Vebjørn Ekroll,Rainer Mausfeld

Journal of Vision (2010)

物体表面の反射と形状を推測するための情報が,物体表面の光沢反射の恒常性(Gloss Constancy)にどのように依存しているか評価を行う. 実験として,光沢の1:動き2:情報の不一致(表面とハイライト部の不一致) 3:色情報(拡散と鏡面反射での刺激,色相)を変化させ評価を行う. そのため,Phongモデルの拡散成分と光沢度を操作することで, 異なる空間周波数と振幅となっている2つの物体表面間での知覚される明るさおよび光沢度と一致させる. その結果,どの情報も光沢の恒常性を高めることが明らかとなった.

(発表者:横矢 真悠)


2011.12.16

模擬患者を用いた穿刺訓練システムの開発と評価

菊地 綾乃



本研究では模擬患者(Standardized Patient, SP)と触覚再現が可能な模擬穿刺 針を用いたVR穿刺訓練システムを提案する. SPとは患者をリアルに再現できるよう訓練された演者である. 提案システムは,訓練者は模擬穿刺針を使用しSPに仮想的に穿刺を行うことができ, また模擬穿刺針は仮想人体モデルに穿刺した際の触覚を再現することができる. 本システムにより,訓練者は実際の患者に対して穿刺を行っているかのような訓 練を行うことができる.

(発表者:菊地 綾乃)

Perceptually Based Tone Mapping for Low-Light Conditions

Adam G. Kirk and James F. O’Brien

ACM SIGGRAPH 2011

錐状体が活発に働く明所視から杆状体が活発に働く暗所視に 移行するとともに,見ているシーンの色の変化であるカラーシフトが発生する. 本論文では,このプロセスをモデル化して,錐状体と杆状体の反応を調査し, 人間の視覚特性を考慮したアルゴリズムを提案した. 薄明視または暗所視において,知覚される色をスペクトルイメージデータから求めて, 最終的に変化された色を含む画像をディスプレイにマッピングする方法を検討した.


(発表者:郭 瑞)