2013.10.11
A Concatenational Graph Evolution Aging Model
Jinli Suo, Xilin Chen, Shiguang Shan, Wen Gao, and Qionghai Dai
IEEE TRANSACTIONS ON PATTERN ANALYSIS AND MACHINE INTELLIGENCE, VOL. 34, NO. 11, NOVEMBER 2012
加齢変調のモデリングは,顔認識やCGの分野において非常に重要である.
しかし,変調モデルの学習する際の問題点として,長期的に連続した顔画像データの取得が難しいことが挙げられる.
本研究では顔画像データベースを用いて空間的および時間的分解アプローチを提案している.
空間的アプローチでは,人間の顔を解剖学に沿って顔の部位ごとに分解する.
時間的アプローチでは,マルコフ性に沿って短期的な加齢変調を組み合わせることで長期的加齢変調とする.
また,提案モデルについて加齢予測の多様性を考慮している.
実験では,学習した加齢モデルにより生成した予測結果を主観的・客観的に評価することで本研究の妥当性を検証した.
(発表者:豊田 彩織)
2013.10.18
Practical SVBRDF Capture In The Frequency Domain
Miika Aittala, Tim Weyrich, Jaakko Lehtinen
SIGGRAPH 2013
空間的に変化する反射率(SVBRDF)と微小法線は,実世界の物質の再現において重要であり,
これらの情報を自動的に取得する手法が必要とされている.
本研究では,実用的なハードウェア(LCDディスプレイ,一眼レフカメラ)のみを用いて,
自動的に平面物体のSVBRDFと微小法線を取得する新たな手法を提案する.
提案手法では,周波数領域において照明パターンと反射モデルを組み合わせることにより,
少数の撮影画像から,正確なSVBRDFを推定することを可能としている.
様々な反射特性をもつ物質サンプルを用いて,実写と提案手法による再現結果の比較を行うことで,手法の有用性を示した.
(発表者:馬場 佳織)
BSSRDF Estimation from Single Image
Adolfo Munoz, Jpse I. Echevarria, Francisco J. Seron, Jorge Lopez-Moreno, Mashhuda Glencross, Diego Guierrez
EUROGRAPHICS 2011
物体の反射特性を取得する手法は数多く提案されているが,単一の画像から内部散乱を考慮した特性を取得する研究は少ない.
本研究では,一様な半透明の物体のBSSRDF(双方向散乱面反射率分布関数)を単一の入力画像から推定する手法を提案している.
提案手法では,拡散プロファイルを区分的定数関数の線形連結に近似し,単調減少モデルにフィッティングを行う.
また,著者らは提案手法と先行研究の手法を比較し,有用性を示した.
(発表者:細川 菜摘)
2013.10.25
Effects of Global Illumination Approximations on Material Appearance
Jaroslav Krivanek, James A. Ferwerda, Kavita Bala
Appear in Transactions on Graphics, vol. 28, no. 3, 2010(SIGGRAPH 2010)
近年,写実的なCGを得る時には,グローバルイルミネーションレンダリング(GIレンダリング)が広く用いられている.
GIレンダリングは,物理的な光のふるまいをシミュレートするものであり,レンダリングを行う際には長い時間を必要とする.
そのため,より高速なGIレンダリング方法がいくつか発表されていが,正確なレンダリング結果を得るためには適切なパラメータを決める必要がある.
また,CG画像は作成時のパラメータが異なり,結果画像が異なっていたとしても人間が受ける印象が同じであれば視覚的に等価とみなすことができる.
そこで本研究では,視覚的に等価となるような結果を得られる高速なGIレンダリングにおけるパラメータの許容範囲を主観評価実験に基づいて決定する.
(発表者:土門 亮太)
Monte Carlo simulation of light reflection from cosmetic powder particles near the human skin surface
Takashi Okamoto, Tatsuya Kumagawa, Masafumi Motoda, Takanori Igarashi, and Keisuke Nakao
Biomedical Optics, Vol.18 - No.6, June 2013
粉末粒子で覆われた人間の皮膚に入射した光の反射及び散乱特性が研究されている.
本研究では皮膚を色素沈着領域を有する3層構造にモデル化し,モンテカルロ法を用いて
皮膚層および皮膚表面の粒子層おける光の伝搬をシミュレートする.
粒子層による反射スペクトルの変化を解析し,また正常な皮膚の色と色素沈着した皮膚との間の色差を算出した.
粒子の周囲の媒体,および粒子径の分布(多分散)の影響も検討した.
皮膚に近い屈折率を持つ周囲媒体は,皮膚表面を覆う粉末粒子による極端なスペクトルの変化を十分に抑制し,
正常な皮膚の色と色素沈着した皮膚との間の色差は,
直径が0.25μmの粉末粒子が皮膚表面に存在するとき著しく減少することが明らかとなった.
(発表者:廣瀬 未紗)
2013.11.1
Gazing Behavior During Mixed-Sex Interactions: Sex and Attractiveness Effects
Ischa van Straaten ・ Rob W. Holland ・Catrin Finkenauer ・ Tom Hollenstein ・Rutger C. M. E. Engels
Springer Science+Business Media, LLC 2009
異性との会話の際,視線を相手に向ける長さと相手の魅力との関係はあるのだろうか.
異性2人で5分間会話をしてもらい,相手を見つめている時間を計測する.さらに,相手の魅力,デートしたい欲望について9段階で評価してもらった.
結果について,男性の魅力の高い異性とデートをしたい欲望は長い時間相手を見つめさせる.一方で女性はそれほど影響を受けないであろうと予測した.
結果,男性は魅力の高い女性に対しては見つめる時間が長くなったが,女性は影響を受けないことが確認された.
過去の研究に反して,魅力の高さとデートをしたい欲望の関係に性差はなかった.
(発表者:米澤 拓)
Perceived glossiness and lightness under real-world illumination
Maria Olkkonen, David H. Brainard
Journal of Vision, vol.10 no.9 article 5, September 2, 2010
色,明るさ,光沢は,物体反射に関係する知覚特性であり,これらの知覚特性を有効に活用するため,
物体の物理的な反射特性と,背景の変化による影響の相関をとる必要がある.
本研究では,ある照明下での地理的な変化における明るさと光沢の知覚を調べた.
刺激はHDRディスプレイに提示された球のCG画像である.
観測者は異なる周囲環境下でシミュレーションした球の反射における見た目が釣り合うように,
テスト球の拡散・鏡面反射成分のパラメータを調整した.
様々な実験の結果,釣り合いが予想できない球の輝度ヒストグラムから,
標準偏差,歪度,尖度のような統計の定式化が可能になった.
(発表者:直江 克紘)
2013.11.22
Color Constancy for Multiple Light Sources
Arjan Gijsenij, Member, IEEE, Rui Lu, and Theo Gevers, Member, IEEE
IEEE TRANSACTIONS ON IMAGE PROCESSING, VOL. 21, NO. 2, FEBRUARY 2012
色恒常性アルゴリズムは一般的に,1枚の画像内で光源の分光分布は単一・一様であるという仮定に基づいている.しかし,現実ではMix光源の存在によって,この仮定は守られない.本論文では,このような単純な光源を仮定するよりも現実的な手法を提案する.まず,局所的な色恒常性を仮定し,既存のアルゴリズムを適用する.そして,局所的な推定結果を統合することで,画像全体の色恒常性を実現する.局所的な色補正は,フォン・クリースの行列変換式を利用する.
本論文では,Mix光源の合成画像および実写画像に対する実験によって,提案手法による色補正が,画像内の2つの光源による影響を縮小できることを示した.両光源の色度の角度差が1度以上のとき,提案手法は既存の単純な光源を仮定するアルゴリズムよりも有効であった.角度差が1度以下のとき,両光源は単一な光源であると近似できるため,既存手法との有意差は見られなかった.
(発表者:田中 伶実)
Imaging of hemoglobin oxygen saturation ratio in the face by spectral camera and its application to evaluate dark circles
Kumiko Kikuchi, Yuji Masuda and Tetsuji hirao
Skin Research and Technology, Vol.19, november 2013
多くの先行研究においては,下まぶたのクマは,明度,メラニン及びヘモグロビンの含有量を決定するために接触型の分光光度計が用いられてきた.
この装置は高精度に目的部位を測定することができるが,装置の測定ヘッド部の半径が小さいために,クマ領域中の成分の測定値を獲得するのが難しい.
本研究では,メラニンとオキシ・デオキシヘモグロビンを含む皮膚発色団の相対濃度分布を定量化及び視覚化するため,顔の広範囲をキャプチャできる分光画像システムを開発した.
また,このシステムを用いてクマの特徴を調査し,メラニンとヘモグロビン酸素飽和度比の相対濃度分布を視覚化した.
さらに,皮膚発色団の局所分布における変化を視覚化することで,抗クマ化粧の効果を評価した.
(発表者:眞板 誓志)