2013.6.21

The role of brightness and orientation congruence in the perception of surface gloss

Phillip Marlow, Juno Kim, Barton L. Anderson

Journal of Vision, 2011

物体表面の光沢の認識は,鏡面ハイライトに依存する.
しかし,物体表面に現れる高輝度の領域が,着色ではなく鏡面ハイライトであることを,人間の視覚系がどのように識別しているのかは明らかになっていない.
鏡面ハイライトは,一般的に以下の2つの性質を持つと考えられる.
(1)拡散反射による局所的な陰影と同様の幾何学的配置をとる.
(2)拡散反射による陰影の,明るい領域の近くに現れる.
本研究では以上の2点と,知覚される光沢との関係を調べるために,レンダリング位置から回転,移動させたハイライトに対して評価を行った.これにより,人間の視覚系が物体表面の高輝度領域を鏡面ハイライトとして認識するためには,拡散反射による陰影との幾何学的配置の一致と,明るさの一致が必要であることが明らかとなった.

(発表者:細川 菜摘)


2013.6.28

Single View Reflectance Capture using Multiplexed Scattering and Time-of-flight Imaging

Nikhil Naik, Shuang Zhao, Andreas Velten, Ramesh Raskar, Kavita Bala

SIGGRAPH 2011

本論文ではTime-of-flightによる新たな物体の反射特性取得の概念を紹介する.
本手法では,レーザー光線により間接的に物体を照射し,
その反射光強度をTime-of-flightカメラを用いて高速に撮影する.
光の辿った経路の長さの違いが入射方向・反射方向の違いと一致するように撮影のジオメトリが設定されており,
得られた撮影画像から物体の反射率を推定することができる.
複数のパッチに対して,シミュレーションと実際のハードウェアを用いた検証を行い,
提案手法により,秒単位で有意義な反射率情報を取得できることが証明された.

(発表者:馬場 佳織)


2013.7.5

Multiple-Reflection Model of Human Skin and Estimation of Pigment Concentrations

Rie Ohtsuki, Shoji Tominaga, Osamu Tanno

Optical Review, Vol.19, No.4, pp.254-263, 2012.

本論文では,人間の肌の色素濃度を推定する手法を提案する.
角質層を考慮に入れた人間の肌の光学モデルを設定し,
Kubelka-Munk理論を適用することで人間の肌の表面分光反射を表す式を導く.
提案手法では,肌色に影響する要因として色素濃度だけでなく,
多重反射や肌レイヤーの厚さについて考慮している.
推定された色素濃度に対し,提案手法により評価することで
提案手法が実現可能であることを確認した.

(発表者:豊田 彩織)


2013.7.19

Estimating Diffusion Parameters from Polarized Spherical-Gradient Illumination

Yufeng Zhu,Pradeep Garigipati,Pieter Peers,Paul Debevec and Abhijeet Ghosh

IEEE Computer Graphics and Applications, May/June 2013 pp34-43

本論文では異なる成分からなる半透明物体の表面下散乱パラメータを獲得する新たな手法を提案する.
提案手法では,交差偏光した円形グラデーション下における曲面の観測から,
直接表面点ごとの散乱パラメータを獲得することができる.
この方法では,観測された散乱データの明示的なフィッティングは必要としない.
異種成分で構成される様々な半透明物体を用いて,理論の妥当性を検証する.

(発表者:眞板 周志)


2013.7.26

High-quality motion Deblurring from a Single Image

Qi Shan, Leo Jiaya Jia, Aseem Agarwala

SIGGRAPH 2008

本論文では,1枚のブラー画像を基にして,ブラーカーネルの推定とブラー除去を同時に行う手法を紹介する.
 
既存のブラー除去手法で共通して見られるリンギングの発生原因について分析し,分析に基づく新しい確率モデルを提案する.本手法はブラー画像におけるノイズの空間的ランダム性を考慮し,さらにテクスチャ以外の領域ではブラーによって見た目が変わらないという性質を利用している.
 
提案手法により,複数の画像を用いる手法や,特殊なハードウェアを必要とするブラー除去手法と同程度の品質が得られた.


(発表者:田中 伶実)