2025.4.8

Haptic Vibrations in Emotion Induction and Regulation: Insights From Subjective Ratings and EEG Signals

Xin Wang, Baoguo Xu, Jiajin Wang, Zelin Gao, Jingyu Ping, Huijun Li, Aiguo Song

IEEE TRANSACTIONS ON INSTRUMENTATION AND MEASUREMENT, VOL. 74, 2025 4003113

触覚振動はその簡便さと携帯性から感情の表現に広く用いられているが、その特性が感情誘導に与える影響についての客観的検証は不十分であり、さらに感情調整への応用可能性についても未検証であった。そこで本研究では、主観評価および脳波(EEG)信号を用いて、触覚振動による感情誘導と感情調整の可能性を検討した。振動の強度・周波数・デューティサイクル・位置という4つの特性を組み合わせた48パターンの触覚刺激を用い、主観評価に基づいて「幸福」「恐怖」「リラックス」を代表する3パターンを特定した。その後、脳波により各パターンの感情誘導効果を検証し、選定パターンが特定の感情を有意に誘導することを確認した。さらに、映像との組み合わせによって触覚振動が感情調整に及ぼす効果を検討し、リラックスパターンが恐怖などの負の感情を緩和する可能性が示唆された。

(発表者:板谷 優輝)


2025.4.15

Remote physiological monitoring of neck blood vessels with a high-speed camera

Cao M, Saiko G and Douplik A

Advanced Optical Technologies. Vol.14 1536415

臨床研究は脈波速度(PWV)の増加が心血管疾患(CVD)の死亡率の増加と強く関連していることを示唆している。しかし現在のCVD検出方法は侵襲的で高価、かつ接触型の方法であり、皮膚に敏感な患者には不向きである。そこで本研究では高速カメラ(2000fps)を使用して首領域でのリモートフォトプレチスモグラフィ(rPPG)を利用することで、PWVの推定が可能か検討した。結果として、首領域において選択された参照信号と正の相関および負の相関が見られる領域が明らかとなった。これらは主に頸動脈および頸静脈の分布を示す可能性があり、それにより上流および下流の血液循環方向を示唆している。本研究は高速カメラを使用してタッチレスでの局所的なPWV推定が可能であることを示唆しており、リモート・フォトプレチスモグラフィの応用範囲を広げ、CVDの診断を支援する可能性を高めている。

(発表者:遠藤 響)


2025.5.27

TSAEEG-CL: A Tempo-spatial attention EEG model with contrastive learning for VRMS susceptibility detection

Chengcheng Hua, Zhian Dai, Yuechi Chen, Jianlong Tao, Wenqing Yang, Dapeng Chen, Jia Liu, Rongrong Fu



バーチャルリアリティ酔い(VRMS)は、VR技術の発展を妨げる要因の一つである。VRMSの症状の重さを左右する主な要因の一つが、個人の酔いやすさ(VRMS感受性)である。そこで、本研究では模擬飛行タスクと適応型トレーニングを通じて同一被験者のVR酔い感受性の変化を誘発し、その前後に取得した安静時の脳波データを用いて、感受性を識別するエンドツーエンドの深層学習モデル「TSAEEG-CL」を構築した。本モデルは、時間的および空間的特徴をTransformerベースの自己注意機構で抽出し、さらにコントラスト学習を導入することで、個人差の影響を低減しつつ、VRMS感受性に関連する特徴を効果的に学習することが可能である。検証の結果、99.48%という高い分類精度を達成し、本手法の有効性が示された。


(発表者:清原 大稀)


2025.6.3

PhysFormer: Facial Video-based Physiological Measurement with Temporal Difference Transformer

2022 IEEE CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition(CVPR)

Zitong Yu, Yuming Shen, Jingang Shi, Hengshuang Zhao, Philip Torr, Guoying Zhao

顔のビデオから非接触で心拍活動や生理信号を測定することを目的とした rPPGは、多くの応用分野において大きな可能性を秘めています。近年の深層学習手法では、CNNを用いて微細なrPPGの手がかりを抽出することに焦点が当てられていますが、これらの手法は空間的・時間的な受容野が限定的であるため、rPPGのモデル化における長距離の時空間的な認識や相互作用を見落としがちです。本研究では、rPPG表現の強化のために、局所および全体の時空間特徴を適応的に統合するエンドツーエンドのビデオトランスフォーマーアーキテクチャ「PhysFormer」を提案します。4つのベンチマークデータセットにおける包括的な実験により、本手法がデータセット内テストおよびデータセット間テストの両方において優れた性能を示すことが確認されました。





(発表者:杵渕 雅也)


2025.6.17

Relightable 3D Gaussians: Realistic Point Cloud Relighting with BRDF Decomposition and Ray Tracing

J Gao, C Gu, Y Lin, Z Li, H Zhu, X Cao, L Zhang, Y Yao

European Conference on Computer Vision, 73-89

本論文では、フォトリアルな再照明を実現するための新しい微分可能なレンダリングフレームワークを提案する。再構成されたシーンを再照明可能にするために、標準的な3Dガウシアンに法線ベクトル、BRDFパラメータ、さまざまな方向からの入射光といった追加の属性を持たせて拡張する。複数視点から得られた画像群から、3D Gaussian Splatting により3Dシーンを最適化し、BRDFと照明は物理ベースの微分可能レンダリングによって分解される。フォトリアルな再照明で説得力のある影効果を生み出すために、可視性の事前計算を効率的に行うためのバウンディングボリューム階層(BVH)に基づく革新的なポイントベースベースレイトレーシングを導入する。広範囲な実験により、BRDF推定、視点合成、再照明において既存手法と比較して優れた性能を実証した。本手法は、メッシュベースのグラフィックスパイプラインに代わる、編集・追跡・再照明が可能なポイントベースパイプラインの可能性を示している。



(発表者:神取 歩)


2025.6.24

Leveraging driver vehicle and environment interaction: Machine learning using driver monitoring cameras to detect drunk driving

Koch, K., Maritsch, M., Van Weenen, E., Feuerriegel, S., Pfäffli, M., Fleisch, E., Weinmann, W. and Wortmann, F.

In Proceedings of the 2023 CHI conference on human factors in computing systems (pp. 1-32).

過度なアルコールの摂取は、障害や死亡の原因となるた危険である。そこで近年デジタルによる介入が考えられている。本研究では車運転中に着目した。リアルタイムでの血中アルコール濃度(BAC)の推定を行い、飲酒運転防止のシステム開発を試みた。
システム設計としては、世界中の多くの国で義務化されているドライバーモニタリングカメラを活用する。30人の参加者によるシミュレーター介入実験を通じて、本システムの評価を行った。その結果、いかなるアルコール影響下での運転も高精度で検出でき(受信者動作特性曲線下面積[AUROC]0.88)、さらにWHOの推奨上限値である0.05g/dLを超えるBACでの運転も識別可能であった。(AUROC 0.79)。また、モデルの解析結果からは、アルコール摂取に関連する病理生理学的変化に基づいた予測であることが明らかになった。本成果は、ドライバーモニタリングカメラの新たな可能性を示すものであり、次世代の飲酒運転防止技術の実現に貢献できると考えられる。




(発表者:村井 将成)


2025.7.8










(発表者:山崎 奎典)


2025.7.15







(発表者:外山 幸太)