2026.4.14
Immersive Haptic Technology to Support English Language Learning Based on Metacognitive Strategies
Adriana Guanuche, Wilman Paucar, William Oñate, Gustavo Caiza
Applied Sciences, 2025
英語の習得は段階的な学習が必要でありモチベーションの維持が課題であるが、教育分野において触覚技術を活用した没入型の提案はまだ少ない。本研究では、メタ認知戦略や多感覚学習の理論に基づき、Sensoグローブと3D環境を用いた第二言語としての英語学習支援アプリケーションを設計・実装した。CEFRA1レベルの学生30名と英語教師12名を対象に、Unityで構築された仮想教室をグローブを用いて体験・評価した。ナビゲーションテストの結果、仮想空間と物理的な手の動きの相互作用はほぼ100%の成功率を達成した。アンケート評価では、100%の教師と学生が復習ツールとしての有用性に同意し、大多数が学習意欲の大幅な向上を認めた。本研究は、視覚・聴覚に触覚を加えた体験が学習者のモチベーションを高め、実践的な言語使用を通じた情報の理解と記憶の定着を大幅に改善する有効な教育補完ツールであることを示した。
(発表者:田中 零響)
2026.4.21
Text-Guided Variational Image Generation for Industrial Anomaly Detection and Segmentation
Mingyu Lee, Jongwon Choi
CVPR, 2024
工業分野の異常検知は正常な分布の学習に多数の画像を必要とするが、実際の現場ではデータ不足(ワンショット等)や個体差の網羅が大きな課題となっている。従来の単純な画像生成AIや画像加工による水増しでは、テクスチャの構造が破壊されたり、自然界で許容される個体差(分散)が考慮されず、逆に精度を低下させる問題があった。本研究では、この課題に対し、WordNetを用いた最適なプロンプト生成、VQGANを拡張した分散考慮型の画像生成、およびCLIPを用いたテキスト知識統合を組み合わせた「テキスト誘導型変分画像生成フレームワーク」を設計・実装した。MVTecADやBTAD等のデータセットを用い、PatchCoreをはじめとする4つのベースラインモデルに生成画像を適用して評価した結果、正常画像がたった1枚しか与えられないワンショット設定においてPatchCoreの精度を劇的に(+7.0%)向上させるなど、あらゆるシナリオでベースラインを上回る結果を達成した。本研究は、テキストによる事前知識と分散予測を用いた画像生成が、現実の物理構造を壊すことなく安全に正常データを水増しし、データ不足の極限状況下においても高精度な異常検知を可能にする強力なアプローチであることを示した。
(発表者:鈴木 伯)
2026.5.26
PhysVLM: Vision-Language Model for Generalizable Multitask Remote Physiological Measurement
Gao, J., San, I. W., Luo, X., Chen, Z., Yu, Z., Tan, T., & Sun, Y.
IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement, 2026
遠隔光電脈波(rPPG)は、心拍数(HR)や呼吸数(RR)などの重要なバイタルサインを非接触で推定できる技術である。しかし、従来手法は血液量変動(BVP)に起因する周期的周波数特性やタスク間依存性を十分に考慮しておらず、未知環境への一般化性能に課題があった。本研究では、クロスドメインかつマルチタスクなrPPGフレームワーク「PhysVLM」を提案する。まず、事前学習済みVision-Language Modelから周波数関連の事前知識を取得し、知識蒸留を通じて視覚専用の学生ネットワークへ注入することで、生理学的周期特徴への注目を促進する。さらに、Wavelet Temporal Block(WTB)によるマルチスケール時周波数分解と適応フィルタリングにより、タスク非関連ノイズを抑制する。また、Frequency-Aligned Spatial Attention(FASA)を導入し、周期的に顕著な領域に対する周波数整合型バンドパス選択を実現した。加えて、タスク間整合性制約によってスペクトルリークを低減する。5つの公開データセットおよびNICU(新生児集中治療室)の早産児25例を用いた臨床検証により、PhysVLMはクロスドメイン評価において安定した性能向上を達成した。特にNBHRデータセットでは、心拍数推定の平均絶対誤差(MAE)を5.85 bpmから2.85 bpmへ改善した。本手法は、臨床応用可能な高信頼rPPGシステムの基盤となることが期待される。
(発表者:板谷 優輝)
2026.6.2
Camera-Based Bipedal Plantar Pulse Transit Time Difference Measurement for Lower Limb Arterial Stenosis Detection
Zhiyuan Xu, Shuhan Yi, Yukai Huang Ningbo Zhao , Dongmin Huang , and Wenjin Wang
IEEE TRANSACTIONS ON BIOMEDICAL ENGINEERING, VOL. 73, NO. 1, JANUARY 2026
末梢動脈疾患(PAD)は、跛行や、重症例では切断に至るなど、深刻な足の問題を引き起こす可能性があります。現在、臨床診断は主にスペクトルドップラー超音波検査や足関節上腕血圧比(ABI)といった、費用がかかり手間のかかる方法に依存しています。このことから、低コストで手軽なスクリーニング手法が緊急に求められています。PADによる下肢動脈狭窄は、心臓から足への脈波伝播の遅延を引き起こす。本研究では、足のRGB動画から抽出された光電脈波(PPG)信号間の時間差として算出される、両足底脈波伝播時間差(PTTD)という新たなPADスクリーニング法を提案する。19名の健常成人を対象にシミュレーション実験を実施し、ふくらはぎに異なる圧力を加えることで、5つの異なる血管閉塞状態(すなわちPADの重症度)を模擬した。実験結果によると、PTTDはPADシミュレーションの検出において90.53%の精度、5段階のPADシミュレーションのグレード分類において80.00%の精度を達成し、ベースラインとなる灌流指数(PI)に基づく検出モデルおよび分類モデルと比較して、それぞれ10.53%および28.42%の改善が見られた。さらに、病院の超音波検査科においてPAD患者10名から足底の動画データを収集し、実際の臨床現場での実用性を実証した。これにより、両足底間で測定されるPTTDは血管閉塞に対して高い感度を示し、PADスクリーニングのための効率的なツールとして有望であることが示唆された。
(発表者:遠藤 響)
2026.6.9
Morpheus: Text-Driven 3D Gaussian Splat Shape and Color Stylization
Jamie Wynn, Zawar Qureshi, Jakub Powierza, Jamie Watson, Mohamed Sayed
CVPR 2025
現実世界の空間を新規視点合成によって探索することは楽しく、それらの世界を異なるスタイルで再構築することはさらなる魅力をもたらす。また、スタイル化された世界は、学習データが限られており、モデルの学習分布を拡張する必要がある下流タスクにも利用できる。しかし、現在の新規視点合成におけるスタイル変換手法の多くは、幾何形状を説得力のある形で変化させる能力を欠いている。これは、形状を変化させるためにはスタイル変換の強度を高める必要がある一方で、その強度がスタイル変換の安定性や視点間の一貫性を保つためにしばしば制限されているためである。本研究では、3D Gaussian Splatting に対する新しい自己回帰型のスタイル変換手法を提案する。この手法の一環として、外観(appearance)と形状(shape)のスタイル変換強度を制御できる新たな RGBD Diffusion Model を導入する。さらに、スタイル変換されたフレーム間の一貫性を確保するために、深度情報に基づく新しい Cross-Attention、Feature Injection、および合成フレームを条件入力とする Warp ControlNet を組み合わせ、新しいフレームのスタイル変換を誘導する。提案手法の有効性は、多数の定性的結果、定量的実験、およびユーザスタディによって検証した。
(発表者:清原 大稀)
2026.6.30
Real-life intense fear is communicated through context, not facial expressions
M. Lecker,S. Hallock,A. Danielson,M. Van Aertrickc,M. Kindt, & H. Aviezer
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.
中心的感情理論は、脅威や危険な出来事の際に人間の顔が「恐怖」に対応する典型的かつ明確で普遍的に認識される表情を示し、その表情が同種の観察者によって正確に読み取られることを仮定している。恐怖表情については、その重要性ゆえに、進化的起源、神経生物学的メカニズム、臨床的意義に関する多くの研究が行われてきた。これらの研究では俳優によって演じられた非常に分かりやすい表情刺激を用いており、その表情は現実世界の恐怖表情の物理的外見を模倣していると仮定している。本研究では、この診断性の想定(顔表情で感情を区別できるという想定)に異議を唱える。文脈依存的な枠組み(Barrett,2017)に基づき、私たちは顔以外の文脈情報(例えば、状況情報や身体姿勢など)が、独立した顔の信号よりも、恐怖の伝達に大きな役割を果たすという仮説を立てた。事前登録された12件の実験(総参加者数N = 4,180)において、高所からの飛び降り、身体的攻撃、恐怖症の誘発刺激への曝露など、多様な強い恐怖状況を記録した現実の動画に対する感情知覚を調べた。参加者は、「顔のみ」、「顔を除いた文脈のみ」、「動画全体」のいずれかを視聴し、さまざまな形式の感情知覚の評価(強制選択法、自由記述、複数感情尺度、快-覚醒度評価)を行った。実験全体を通して、顔だけを切り出した動画は一貫して恐怖を伝えることができなかった。一方で、顔を除いた文脈情報および文脈を伴った顔は、中程度から大きな効果量で、明確かつ頑健に恐怖として知覚された。恐怖反応を知覚すること自体の重要性は疑いないものの、顔表情単独の感情伝達機能は最小限であり、現実場面での恐怖知覚には文脈が決定的な役割を果たしていることをこの結果は示唆している。
(発表者:高橋 玲央)
2026.7.14
An image enhancement based method for improving rPPG extraction under low-light illumination
Shutao Chen, Kwan Long Wong, Tze Tai Chan, Ya Wang, Richard Hau Yue So, Jing Wei Chin
Biomedical Signal Processing and Control
本研究は、低照度環境で精度が低下しやすいrPPG心拍推定に対して、Retinex理論に基づく画像補正モデル(IEM)を前処理として組み込む手法を検証した。IEMにより顔動画から照明成分の影響を抑え、rPPGに有用な反射成分を抽出しやすくすることで、DeepPhys、PhysNet、PhysFormer、POSのいずれにおいても低照度下での心拍推定精度が改善した。複数データセットで有効性を示す一方、肌色などの被験者属性が汎化性能に影響することも明らかにし、低照度環境におけるrPPGの実用性向上に向けた画像補正前処理の有効性を示した研究である。
(発表者:外山 幸太)