2006.10.6

Light scattering and ink penetration effects on tone reproduction

Li Yang, Reiner Lenz, and Bjorn Kruse

J. Opt. Soc. Am. A/ Vol.18, No.2/ February 2001

いわゆるYule-Nielsen効果といわれる光散乱や,インクの紙内部への染み込みは印刷の階調再現に大きく影響する.我々はこれらの効果がハーフトーン画像の反射率や三刺激値に与える影響を記述するモデルと理論を作成した.さらに,この理論を用いて光学的ドットゲインを表現した.インクの染み込みが光学的ドットゲインを減少させることを理論的に導いた.

(発表者:浮島 正之)

Determination of the optical properties of a two-layer tissue model by detecting photons migrating at progressively increasing depths

Yasser S. Fawzi, Abo-Bakr M. Youssef, Mohamed H. El-Batanony and Yasser M. Kadah

APPLIED OPTICS, Vol. 42, No. 31, 2003

本論文では2層の不透明体の光学特性を推定する方法を紹介します.最初に1層目の光学特性を多変量検量法を用いて推定します. 2層目の光学特性は周波数領域での光拡散モデルを用いて推定します.この手法の有効性はモンテカルロ法によるシミュレーションとファントムによる実測の両方で確認されています.

(発表者:川添 大介)

Single-View Relighting with Normal Map Painting

Makoto Okabe, Gang Zeng, Yasuyuki Matsushita,Takeo Igarashi, Long Quan, Heung-Yeung Shum

The 14th Pacific Conference on Computer Graphics and Applications(Pacific Graphics 2006)

本論文では実画像の照明環境を変化させるためのインタラクティブな手法を提案する.照明効果は表面法線の変化に敏感であり自動的な解析が困難であるため,画像上に近似的な法線を素早く書き込めるペンベースのインターフェースを利用する.本論文では様々なシーンにおける結果を示し本手法の有効性を確認する.

(発表者:滝口 貴裕)


2006.10.13

Real-Time Adaptive Radiometric Compensation

Anselm Grundhofer and Oliver Bimber

IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics (TVCG 2006)

近年プロジェクタはますます需要が高まり,どのような場所にも投影できることが重要になっている.投影面に合わせて輝度を調整する手法はこれまでに様々な研究がなされてきたが,輝度補正の結果,コントラストや全体の輝度が低下してしまうという欠点があった.本論文では,投影面の特性だけでなく,投影する画像のコンテンツも考慮して処理を行うことで,従来手法の問題を解決する輝度補正手法を提案すると供に,リアルタイムに処理を行うことで動画にも適応可能な手法を提案する.

(発表者:鶴瀬 麻依子)

Haptic Feedback for the GPU-based Surgical Simulator

T.S. S・nsen, J. Mosegaard

Medicine Meets Virtual Reality 2006

GPUはバネ質点モデルを用いた手術シミュレータの計算に適していることはすでに証明されていた.しかしGPU上での効率的な触覚計算法についてはこれまで示されていなかった.本論文では低い計算コストで触覚再現の計算をする方法を示す.これはバネ質点,視覚化,触覚再現の計算をバランスよくGPUで行うことにより可能となる.

(発表者:松隈 ちひろ)

Soft-Tissue Motion Tracking and Structure Estimation for Robotic Assisted MIS Procedures

Danail Stoyanov, George P. Mylonas, Fani Deligianni,Ara Darzi, and Guang Zhong Yang

MICCAI 2005, LNCS 3750, pp. 139 ・146, 2005

この論文では心臓バイパス手術を想定したフィーチャーベースドな心臓の変形を推定する手法について提案する.補正済み腹腔鏡を用い,2つのFeature Ditectorを組み合わせ,自己補正アルゴリズムによりステレオ-時系列におけるステレオイメージトラッキングを行うことで心臓表面の3次元情報を復元する.この手法は変形心臓ファントムモデルを用いることでその効果を実証した.

(発表者:三好 大智)


2006.10.20

Spatio-Velocity CSF as a Function of Retinal Velocity using Unstabilized Stimuli

Justin Laird, Mitchell Rosen, Jeff Pelz, Ethan Montag, Scott Daly

Proc.SPIE Vol.6057 (2006)

液晶ディスプレイでは一般的に液晶の応答速度とホールドタイプ表示により、動きぼけを生じると言われている。このような動きぼけを補償するためにも、動き刺激に対する視覚特性を用いた画質改善アルゴリズムは非常に重要であるが、現在このような視覚特性のモデル化はほとんど行われていない。そこで、本論文では眼球の動きを考慮したSpatio-Velocity CSFを提案する。本研究では眼球が動いた(提示刺激を追従した)状態でのCSFを測定し、それらのデータを用いることで、KellyやDalyらが提案した従来のSpatio-Velocity CSFを再検討する。

(発表者:平井 経太)

Noise Estimation from a Single Image

Ce Liu, William T. Freeman, Richard Szeliski, Sing Bing Kang

IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, 2006

多くのコンピュータビジョンアルゴリズムをうまく実行するためには,それらのパラメータがノイズレベルに応じたものである必要があり,それは推定すべき重要な数量である.本論文ではベイズ推定を用いて一枚の画像からノイズレベル関数を推定する.また,2つのアルゴリズムに適用することでこのノイズ推定の有用性を明らかにする.

(発表者:伊東 ひとみ)

New synthetic evaluation of Color Display using polychromatic MTF

Jong Sup Song, Yun Woo Lee, In Won Lee, Jae Heung Jo, Won Yong Lee, Tong Kun Lim

SPIE Vol.5002 (2003)

カラーディスプレイのMTF,輝度,色度(x,y)を同時に計測するためのシステムを紹介し,カラーLCDの画質評価のためのPMTF(polychromatic MTF)を提案する.PMTFはシステムの総合的なスペクトル応答で重み付けされたモノクロMTFから計算される.また,異なる振幅の三つのバーパターンを使用してカラーLCDモニタのPMTFをシミュレートする手法も提案した.計算値のPMTFと実際の測定結果と比較を行った.

(発表者:大川 亜希子)


2006.10.27

Dense 3D Depth Recovery for Soft Tissue Deformation During Robotically Assisted Laparoscopic Surgery

Danail Stoyanov, Ara Darzi, and Guang Zhong Yang

MICCAI 2004, LNCS 3217, pp. 41-48, 2004

ロボット援助による低侵襲手術において,動きの安定化には組織変形の再現が重要となる.本論文では,立体腹腔鏡で得られた2枚の画像から,ステレオ視によって組織表面の3次元再構成を行う手法を提案する.ステレオマッチングの際に,PBMと呼ばれる格子を用いたレジストレーションと多重解像度画像を組み合わせることで,特徴点の少ない組織表面の高密度な形状取得を実現する.

(発表者:岡田 義道)

Head and facial animation tracking using appearance-adaptive models and particle filters

Fadi Dornaika and Franck Davoine

IEEE Computer Vision and Pattern Recognition Workshop, 2004 Conference on

本論文では,頭部姿勢と表情変化のトラッキングのため2つの方法を取り入れている.1つ目は顔のテクスチャモデルを用いたパーティクルフィルタによるもので,2つ目はリアルタイムで表情変化のトラッキングを可能とするapperance-adaptiveモデルによるものである.これにより安定したトラッキングが可能となる.

(発表者:木下 逸人)

Characterizing Motion Artifacts and Flicker of PDP's

Y.Zhang,C.Teunissen

SID 06 DIJEST p1328-1331

プラズマディスプレイ(PDP)は特徴的な画面表示機構を持っており,そのため動画擬似輪郭(DFC)やMotion blur,フリッカー等が発生する.これにより,PDPの動画質は著しく低下する恐れがある.Moving Camera Systemを用いた計測法が提案されているが,この測定機材はMotion blurの測定をするのみで非常にコストがかかる.そこで本研究では,オシロスコープとフォトダイオードを用いてPDPの時間に対する輝度変化を測定し,そのデータを元にDFCとMotion blurをシミュレートする手法を提案する.更に,PDPで起こるフリッカーについて2つの原因に分け,主観評価実験を行い評価した

(発表者:佐野 真一)


2006.11.10

A Spectral BSSRDF for Shading Human Skin

Craig Donner, Henrik Wann Jensen (University of California, San Diego)

Eurographics Syposium on Rendering (2006)

本論文では人間皮膚用のスペクトラルシェーディングモデルが提案されている.このモデルは内部散乱と表面散乱を両方考慮したもので,人間皮膚における光の相互作用をシミュレートするために4つのパラメータしか用いていないモデルである.その4つのパラメータはそれぞれ肌の皮脂・メラニン・ヘモグロビンの量を制御し,様々な肌タイプの再現を可能にした.これらのパラメータを用いて,肌における内部散乱を考慮した2層肌モデル用の波長依存拡散反射プロフィールがまず生成される.これらのプロフィールはコンボリュション拡散マルチポールによって計算され,肌における内部散乱を正確にかつ高速なシミュレーションを可能にした.肌表面上の皮脂レイヤーにおける光の相互作用をシミュレートするために,内部散乱シミュレーションと共にTorrance-Sparrow BRDFモデルが一体化されている.本論文に提案されている4パラメータモデルはアフリカ系・アジア系と欧米系のような幅広い肌タイプの自然な見えを実現することができるような結果が得られた.

(発表者:Soh Chih Jen)

Photo tourism: Exploring photo collections in 3D

Noah Snavely, Steven M. Seitz, Richard Szeliski

ACM Transactions on Graphics (SIGGRAPH Proceedings), 25(3), 2006, 835-846.

本論文では,あるシーンを様々なジオメトリで撮影した膨大な数の写真を,写真から復元された三次元空間を飛び回るようにして閲覧できる三次元のインターフェースを提案する.ここで用いる写真は本システムのために撮影されたものではなく,GoogleやFlickr等で収集された,撮影した人,日時,天候が様々なものである.本システムは,これらの写真からカメラと被写体の相対位置,被写体の大まかな三次元形状を復元することによって構築される

(発表者:瀧 圭亮)

All-Frequency Relighting of Non-Diffuse Objects using Separable BRDF Approximation

Rui Wang, John Tran,and David Luebke

Eurographics Symposium on Rendering(2004)

本論文は,PRT(前計算光輸送)とBRDF近似に基づいた全周波数環境光下でのノン・ディフューズ物体のインタラクティブレンダリング手法を提案する.既存手法は,環境マップとtransport function(輸送関数)を表すために球面調和関数を用いているが,低周波数光輸送効果のみに限定されている.非線形ウェーブレットライティング近似を用いることで,リライティングにおける全周波数照明と影を記録することができるが,インタラクティブレンダリングは現在,ディフューズ物体に制限される.本論文の手法は,ウェーブレットベースのアプローチで既存手法をノン・ディフューズ物体のリライティングまで拡張する.

(発表者:横山 真紀)


2006.11.17

Algorithms for Interactive Editing of Level Set Models

Ken Museth, David E. Breen, Ross T. Whitaker, Sean Mauch David Johnson

The International Journal of Eurographics Assoc.: Computer Graphics Forum(2005)

レベルセット法は陰的に可変形状を表現する手法であり,セグメンテーションや流体シミュレーションなどで広く利用されている.しかしその計算量は非常に膨大であり,インタラクティブなシステムの構築が困難である.本論文ではレベルセット法を利用した3Dモデリングをするという目標の下で様々な高速化手法を紹介する.

(発表者:館 真吾)

Interactive Simulation of Needle Insertion Models

Simon P.DiMaio, Septimiu E.Salcudean

IEEE TRANSACTIONS ON BIOMEDICAL ENGINEERING, VOL.52, NO.7, JULY 2005

本論文では先進的な対話型の仮想針穿刺シミュレーションを紹介する.このシミュレーションモデルは,二次元組織の変形と針の穿刺力の測定結果を基礎としている.線形シミュレーションモデルの複雑な計算を減少させるため凝縮法が用いられ,針の組織モデルへの穿刺による境界条件の変化は,低次元行列の更新により容易に行われている.弾性のある針のモデルは,針のたわみを計算するため組織モデルと連携している.これらの技術に基づいたHaptic環境は,操作によるトルクと針の側面に生じる力を体感しながら,3自由度の仮想針の操作を可能にしている.

(発表者:森田 慎也)

Light Field Rendering for Large-scale Scenes

Hiroshi Kawasaki, Katsushi Ikeuchi, Masao Sakauchi

Proceedings of IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, 2001

本論文では,広域で高精細な都市環境全体を生成することを目的とし, Model-Based Rendering(MBR)に,Image-Based Rendering(IBR)を用いてリアルさを追加する手法を提案する.まず,全方位カメラによって取得された映像から,簡単な都市環境の形状を推定し,形状に対して,視点方向に応じたテクスチャを生成する.最終的にMBRによって形状にテクスチャを貼り付けることによって,視点移動に対応した都市環境を再現する.更に,テクスチャを作成するさい,保持する必要のある画像枚数と発生するエラーとの関係を解析し,データサイズの削減を行った.

(発表者:矢野 菜津三)


2006.11.24

Object Representation and Data Set Complexity





ある研究対象に対して, 様々な実験や計測によってデータを測定し, それらのデータを用いて, モデルの構築や, 未知のデータに対する予測を行うことが一般的である. その際の基準となるのが, ユークリッド距離やマハラノビス距離といったデータ間の「近さ」の関係である. 従って「近さ」の概念は, 研究対象を解析するうえで, 非常に重要であると考えられる. 本発表では, そのようなデータ間の「近さ」をどのように扱い, 処理するかについて紹介する.


(発表者:森先生 )

Non-linear anisotropic elasticity for real-time surgery simulation

Guillaume Picinbono, Herve Delingette, and Nicholas Ayache

Graphical Models, 65(5):305-321, September 2003

軟組織の物理特性に基づくモデリングは手術シミュレーションにおいて重要である.本論文では,有限要素法に基づき,非等方性・非線形弾性体の変形モデルを作成する.従来の線形有限要素法では不整合を生じていた,大域変形,回転時の体積変化,非等方性物体の再現の問題を本提案モデルを用いることで解決した.また,本提案モデルを腹腔鏡下手術シミュレーターに実装した.


(発表者:牛木 卓)

Fast Separation of Direct and Global Components of a Scene using High Frequency Illumination

S.K. Nayar, G. Krishnan, M. D. Grossberg, R. Raskar

ACM Trans. on Graphics (also Proc. of ACM SIGGRAPH 2006 p935-p944)

あるシーンがある光源により照明されているとき,シーン中の各点の輝度は直接光と間接光の二つの成分から構成される.本論文では,プロジェクターにより高周波な照明(チェッカーパターン)をあてることで,カメラにより撮影した最低二枚画像から直接光と間接光を高速に分離する手法を提案している.従来は相互反射のみを間接光とし,対象物体もdiffuse反射の物体に限られていた.一方,本手法は相互反射以外にSubsurface Scattering,Volumetric Scattering,Translucencyなどの成分に対しても適用可能な手法である.また本手法の拡張として,光源をプロジェクター以外のもので行う場合や一枚の画像のみから光を分離する手法を提案している.

(発表者:落合 桂一)


2006.12.1

Physics-Based Simulation of Surgical Fields for Preoperative Strategic Planning

Megimi Nakao, Tomohiro Kuroda, Hiroshi Oyama, Genichi Sakaguchi, Masashi Komeda

Journal of Medical Systems, Vol. 30, No. 5, pp. 371-380, 2006.

術前手術計画のために手術手技のシミュレーションは重要である.ここでは胸部大動脈瘤を対象とした対話的な切開操作と正確な組織変形をシミュレートする適応型の力学計算フレームワークを提案する.本システムは,切開操作による組織変形にバネ質点モデルを用い,切開後の組織変形に有限要素法を用いてリアルタイムで高精度な切開創と術野をシミュレートする.また,外科医を被験者とした主観評価実験により本システムを評価した.


(発表者:川口 泰弘)

Remote Non-invasive Stereoscopic Imaging of Blood Vessels:First In-vivo Results of a New Multispectral Contrast Enhancement Technology

F. P. WIERINGA, F. MASTIK, F. J. TEN CATE, H. A. M. NEUMANN, and A. F. W. VAN DER STEEN

Annals of Biomedical Engineering, Vol. 34, No. 12, December 2006, pp. 1870-1878

不可視な情報を画像化する技術は,医療診断においてX線画像,サーモグラフィなど多く重用されてきた.本論分では,近赤外帯域における皮膚の脈管構造のコントラストが大きくなることを利用し,可視光と近赤外光のステレオ動画像を非接触に撮影し,皮膚表面の静脈領域に強調処理を加え,液晶シャッター眼鏡などにより立体的に出力する手法を提案する.本手法により,肉眼時と比較して血管の視覚化に改善が見られ,深さ感覚も支援されることが分かった.


(発表者:小森 麻由)


2006.12.8

Locating Blood Vessels in Retinal Images by Piecewise Threshold Probing of a Matched Filter Response

Adam Hoover, Valentina Kouznetsova, and Micheal Goldbaum

IEEE Transactions on Medical Imaging, Vol.19, No.3, March 2000, pp.203-210

糖尿病,高血圧,動脈硬化など多くの疾病の診断において人体内部の血管の様子は重要な指標のひとつである.人体の血管構造を直接撮影できるものとして眼底画像がある.本論文では,このような眼底画像の血管構造を自動抽出する新手法を提案する.本手法では2次元のmatched filterにより血管構造を強調したmatched filter response (MFR)画像に対しローカルな閾値処理を適用し,血管構造を取得する.手動により眼底血管構造をラベリングした20枚の画像を ground truth とし本手法の有効性を評価した.

(発表者:川崎 将吾)

Reflectance from Images: A Model-Based Approach for Human Faces

Martin Fuchs, Volker Blanz, Hendrik Lensch and Hans-Peter Seidel

IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics 2005, Vol. 11, No. 3, pp.296-305

本論文では,顔の表情変化に対応した反射特性計測を行う手法を提案している.この手法では,顔データベース(3次元形状とテクスチャ)を用いて,反射特性計測用に撮影した各偏角照明画像において3次元形状の復元を行う.そして,得られた各撮影における3次元形状と撮影画像から,BRDFモデルにフィッティングを行い,顔の反射特性を推定する.本論文ではさらに,一般的に広く用いられているいくつかのBRDFモデルで推定を行い,顔の反射特性に合ったBRDFモデルの検証も行っている.

(発表者:本間 隆介)


2006.12.15

The Navigated Image Viewer - Evaluation in Maxillofacial Surgery

S. Weber, M. Klein, A. Hein, T. Krueger, T. C. Lueth, and J. Bier

MICCAI 2003, LNCS2878, 762-769.

上記MICCAI2003と,IEEE Itn. Conf. Intelligent Robotics and Systems 2003 (著者同じ,779-784)の内容を元に発表する.歯科など顎顔面を対象とする手術では,手技の位置精度が非常に重要となる.そのため,術前に撮影したCTなどの医用画像,術前計画の画像などを術中に参照しながら手技を行うことが一般的である.著者らは,現在最も一般的であるハードコピーからAugmented Realityシステムまで含めた術中の画像提示法の問題点を指摘した後,シンプルながら実用的な,タッチパネル式の小型液晶ディスプレイを用いたシステムを開発した.現在既に商品化されているシステムの中身を紹介する.

(発表者:小石 毅)

Advances and Challenges in Super-Resolution

Sina Farsiu, Dirk Robinson, Michael Elad, Peyman Milanfar

International Journal of Imaging System and Technology, Vol.14, Issue 2, pp. 47-57, 2004.

撮影光学系の制限を超えた解像度の画像を,画像処理によって得る技術を超解像(Super-Resolution)と呼ぶ.超解像は一種の逆問題として見ることができるが,それを解くためにはモデル化や制約などが重要となる.本論文では超解像を逆問題として見たときの扱い方を代数学的に概説し,近年筆者らが提案したいくつかのアプローチを紹介する.

(発表者:上村 健二)

HD motion-picture evaluation method for overdrive technology in the frequency

Haruhiko Okumura, Masahiro Baba, Kazuki Taira and Makiko Okumura

Journal of the SID, 14/10, 2006

この論文では,フルHD液晶プロジェクタに応用可能なadvanced level-adaptive orverdrive(A-LAO)法について紹介する.これにより,グレイレベルの反応時間を16ms未満に減少させた.加えて,A-LAO法とフレーム補間法を組み合わせて反応時間8ms未満を達成したことを紹介する.従来の時間領域における反応時間による評価の代わりに,知覚されるボケ幅として周波数領域の解析を用いた新しい動画評価法を報告する.

(発表者:中川 慎司)


2006.12.22

Multiview Radial Catadioptric Imaging for Scene Capture

Sujit Kuthirummal, Shree K. Nayar

ACM Trans. on Graphics (also Proc. of ACM SIGGRAPH),916-923

本論文では,1回の撮影で多視点からの撮影結果を得ることができる"radial imaging system"について述べる.このシステムは1台のカメラとカーブミラーから構成され,1枚の撮影画像から3次元形状,全方位テクスチャ,等方的な物体のBRDFを推定・取得することが可能である.また,2枚の撮影画像から凸状物体の完全な形状を取得することもできる.

(発表者:牧野 貴雄)

Color Appearance Matching Based on Color Constancy Theory

Masato Tsukada, Johji Tajima, Hironobu Yoshikawa, and Hirohisa Yaguchi

IS&T's 1999 PICS conference, pp348-353

本論文では,分光特性推定に基づく色順応モデルとしてカラーコンスタンシ計算理論を人間の色知覚に応用した色順応モデルを提案している.画像機器の白色をCIE昼光と仮定し物体の反射率に主成分分析を利用することで実現している.この論文と同様の手法による記憶色に基づく色再現として人間の色順応を考慮したホワイトバランス補正のシミュレーション結果も紹介します.

(発表者:長久保 哲朗)