2007.10.5

Compensating for Intraoperative Soft-Tissue Deformations Using Incomplete Surface Data and Finite Elements

David M. Cash, Michael I. Miga, Tuhin K. Sinha, Robert L. Galloway, and William C. Chapman

IEEE TRANSACTIONS ON MEDICAL IMAGING, VOL. 24, NO. 11, NOVEMBER 2005

近年,手術中において術者に腫瘍の位置を提示するなどといったイメージガイドサージェリー(IGS)が注目を集めている.これらの研究では,術中における腫瘍の位置を特定することが重要となる.本論文では,術前の3DCTより得られた完全な臓器形状と,術中に得られた不完全な部分表面形状を用いて,術中の臓器腫瘍の位置を推定する.提案手法は,修正距離関数を用いて,術前と術中の臓器の変形が少ない部位を特定しつつ,両者をレジストレーションし,変形が大きい部位はFEMで変形させることで,肝臓全体のレジストレーションを精度良く行う.生体ファントムを用いた実験により精度検証を行った.

(発表者:牛木 卓)

Inferring Reflectance Functions from Wavelet Noise

Pieter Peers and Philip Dutre

Eurographics Symposium on Rendering (2005)

近年,実世界の物体の見えを記録・再現する研究が注目を集めている.これらの研究ではreflectance functionと呼ばれる光の反射特性を表す関数を記録している.本論文では,ウェーブレットノイズを照明光として撮影を行う,新しいreflectance functionの推定手法を提案する.ウェーブレットノイズを照明光として使用することによる利点として,全周波数にわたる推定を行うことができる,撮影時に必要とされるダイナミックレンジを最小にすることができるなどが挙げられる.推定したreflectance functionはウェーブレットで表されているため,再照明(リライティング)を少ない計算コストで行うことができる.

(発表者:落合 桂一)

Time-critical distributed contact for 6-DoF haptic rendering

Jernej Barbic and Doug L. James

Eurographics/ ACM SIGGRAPH Symposium on Computer Animation (2007)

実時間VRシミュレーションにおいて,ハプティックは重要な要素である.ハプティクレンダリングは,人の感覚が違和感なく連続的に知覚するために,1kHzという高い更新率での計算が重要である.そのため従来のハプティックは,剛体同士や単純な形状同士の接触しか再現できなかった.本手法は,計算機の処理能力に基づいた,剛体と変形モデルで表された複雑な形状同士の接触をサポートする.本モデルは,接触部位に生じる力を計算し,それらを並進力と回転力の6自由度の力覚によりユーザーに提示する.

(発表者:川口 泰弘)


2007.10.12

Measurement of Retinal Vessel Widths From Fundus Images Based on 2-D Modeling

James Lowell, Andrew Hunter, David Steel, Ansu Basu, Robert Ryder, and R. Lee Kennedy

IEEE Transactions on Medical Imaging, Vol.23, No.10, October 2004

網膜血管径の変化は,高血圧症や動脈硬化,糖尿病といった疾病を示す重要な指標である.血管径の計測結果を正確に得ることは非常に重要であるが,幅数ピクセル単位の血管を自動計測することは要求として非常に厳しい.そこで本論分では,血管径をサブピクセル単位で計測するアルゴリズムを提案する.血管径の計測は2次元ガウシアンモデルと血管領域における2次元的な画素値分布とのフィッティングに基づいている.全100個のサンプルを用いて提案手法と従来方途の比較を行い,その精度を確認した.

(発表者:川崎 将吾)

Interacting with human physiology

I. Pavlidis , J. Dowdall, N. Sun, C. Puri, J. Fei, M. Garbey

Computer Vision and Image Understanding 108 (2007) 150.170

今や,先進国の人口の大部分が日々の多くの時間をパソコンの前で過ごしている.本論文ではHuman-Computer Interaction(HCI)の新しい一面として,サーマルカメラによる生体モニタリング法を提案する.生体モニタリングでは,生体熱モデルを基に,撮影された顔の発熱分布を局所的血流状態や心拍数,呼吸数などに変換し,取得する.これらの生体情報から,ユーザの健康状態や心理状態を推測することができる.本論文では,その応用の具体例として,血流状態に基づいたストレスの定量化と,睡眠時無呼吸症候群患者のモニタリングを行った.

(発表者:小森 麻由)

Time-Varying BRDFs

Bo Sun, Kalyan Sunkavalli, Ravi Ramamoothi, Peter N. Belhumuer, and Shree K. Nayar

IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics (TVCG) 2007, Vol. 13, No. 3, pp. 595-609

近年,少ないサンプルデータから物体のBRDFを推定するために多くのBRDFモデルが提案されている.しかし,現在までに提案されているBRDFのモデル式は全て物体のある一瞬の材質を表すモデル式であり,時間的な材質の変化を考慮したBRDFモデル式は提案されていない.
そこで本論文では時間的なBRDFの変化を考慮したTime-Varing BRDFモデル(TVBRDF)を提案しており,まず計測によってTVBRDFのモデル式の構築を行う.そして,構築したTVBRDFを用いて任意時間,任意照明下での見えをレンダリングを行う手法を紹介する.

(発表者:本間 隆介)


2007.10.19

Inverse Shade Trees for Non-Parametric Material Representation and Editing

Jason Lawrence, Aner Ben-Artzi, Christopher DeCoro, Wojciech Matusik, Hanspeter Pfister, Ravi Ramamoorthi, Szymon Rusinkiewicz

ACM Transactions on Graphics ( Proc. SIGGRAPH 2006 : P735〜745 )

 物体の反射特性を測定する技術の向上により,パラメータを用いずに物体の見えを高精度に再現し,再現した物体の見え(反射特性)を”編集する”事ができるような手法が望まれている.そこで本論文では物体の6次元の反射特性データ( Spatially-Varying BRDF )を取得し,取得した高次元のデータをInverse Shade Treeというフレームワークを用いることで,複数の1,または2次元の関数に分解し,分解したそれぞれの低次元の関数を操作することで,パラメータを用いずに物体の見えを編集する手法を提案している.


(発表者:板倉 康将)

Modeling Ink Spreading for Color Prediction

Patrick Emmel, Roger David Hersch

Journal of Imaging Science and Technology 46: 237-246 (2002)

インクの広がりはインクジェット印刷において重大な色のずれを引き起こすドットゲインの一種である.
本論文では,インクの広がりをモデル化し3色カラー印刷の反射スペクトルの予測を改善することを目的とする.膨大な数のインクの形状は"Polyaの計算理論"を用いて削減する.提案モデルによって,インクや紙を変えたときのキャリブレーションが可能となる.


(発表者:金子 仁美)

LED-based spectrally tunable source for radiometric, photometric, and colorimetric applications

Irena Fryc, Steven W. Brown, George P. Eppeldauer, Yoshi Ohno

Optical Engineering 44(11), 111309 (November 2005)

 多数のLEDや積分球を用いた可変スペクトル光源が米国標準技術局(NIST)によって考案され,構築されている.
この可変光源は様々な可視領域の光源を近似することができ,また分光計測器として使用することができる.
色度計を可変光源によって較正することにより,標準光源Aによって較正した場合と比べ,測定誤差を減少することが可能であることをシミュレーションにより示す.

(発表者:菊地 綾乃)


2007.10.26

Informative frame classification for endoscopy video

JungHwan Oh, Sae Hwang, JeongKyu Lee, Wallapak Tavanapong, Johnny Wong, Piet C. de Groen

Medical Image Analysis 11 (2007) p.110~p.127

 内視鏡の発展により,低侵襲に体内の診断や治療が可能となった.しかし内視鏡動画には,焦点のズレや異物で体内が上手く表示されないフレームがあり,医師やコンピュータ支援診断(CAD)で分析する画像数が増加する.本論文では,内視鏡動画から分析に必要・不必要なフレームを分類するため,エッジ検出とクラスタリングを用いた2種類の手法と,分類精度低下の原因となるスペキュラーを検出する技術を提案し,それらの評価を行った.

(発表者:佐々木 麻衣)

Shape Estimation Using Polarization and Shading from Two View

Gary A. Atkinson and Edwin R. Hancock

IEEE TRANSACTIONS ON PATTERN ANALYSIS AND MACHINE INTELLIGENCE, VOL. 29, NO. 11, NOVEMBER 2007 (p2001~2017)

本論文では,対象物体を回転させて撮影した2枚の画像の偏光,及び陰影の情報を用いて3次元形状を復元する新しい手法を提案する.まずフレネル理論により物体表面の法線を概算する.これにより得られた法線を,画像の輝度値と表面の方向の関係を求めた関数を用いて再計算する.さらに2つの画像間の対応を求め,法線方向のあいまいさを取り除き,物体表面までの距離を求める.最後に復元された3次元形状と正解値を比較する.

(発表者:生江 達哉)

Removing Camera Shake from a Single Photograph

Rob Fergus, Barun Singh, Aaron Hertzmann, Sam T. Roweis and William T. Freeman

ACM SIGGRAPH 2006, Vol.25, No.3, pp.787-794, August 2006

 露光中のカメラの手ぶれは写真にぼけを与え,その写真の質を損ねてしまう.このような写真のぼけはブラインドデコンボリューションを用いて削除することができるが,従来のブラインドデコンボリューションは画像の周波数領域の制約を仮定したり,手ぶれの軌道を単純化したりしている.そこで本論文では画像からブラーカーネルを推定し,そのブラーカーネルを用いて標準のデコンボリューションを実行することでぼけのない画像を推定する手法を提案する. 

(発表者:橋本 賢介)


2007.11.9

Radiometrically-Compensated Projection onto Non-Lambertian Surface Using Multiple Overlapping Projectors

Hanhoon Park, Moon-Hyun Lee, Byung-Kuk Seo, Hong-Chang Shin, and Jong-Il Park

Pacific-Rim Symposium on Image and Video Technology(PSIVT), 2006, pp. 534-544

現状の投影画像の見えの補正技術は,基本的に投影面は均等反射面である,という仮定である.そのため,その方法をどこにでも適用することができない.そこで本論文では,複数のカメラとプロジェクタを用いて,鏡面反射のあるスクリーンでの画像の忠実な再現を行い,さらに色補正を試みた.

(発表者:上三垣 さゆり)

Fast Proximity Computation among Deformable Models Using Discrete Voronoi Diagrams

Avneesh Sud, Naga Govindaraju, Russell Gayle, Ilknur Kabul and Dinesh Manocha

ACM SIGGRAPH 2006, Vol.25, No.3, pp.1144-1153

 近年,変形物体を用いたシミュレーションシステムは,手術支援システムやコンピュータアニメーションなど,様々な分野で使用されている.しかし,変形物体間の衝突判定は計算負荷が高く,リアルタイムで行うために今までの手法では物体間の距離を計算していなかった.そこで本論文では,離散ボロノイ図を用いて,動的環境下で複数の変形物体間の衝突・距離検索を行うことが出来るアルゴリズムを提案する.

(発表者:西村 圭司)

Mimicking Video : Real-Time Morphable 3D Model Fitting

Kazuhiro Hiwada, Atsuto Maki, Akiko Nakashima

ACM Symposium on Virtual Reality Software and Technology, 2003, proc. p.132−139.

本論文では,リアルタイムのビデオ入力に対して,人間の顔のような3次元の非剛体物体の表面を自動でトラッキングするための枠組みを提示する.トラッキングパラメータの推定のための手法として,3次元線形基底の組み合わせから成る変形可能な3次元モデルをベースとし,物体の姿勢と非剛体運動のパラメータが総合的に計算可能な coordinate-oriented error minimization method を提案し,その優位性を示す.また,ターゲットの動きなどによる物体表面での照明の変化に対しても容易に対処できることと,実験結果よりリアルタイムのトラッキングが可能なことを示す.

(発表者:細岡 信介)


2007.11.16

Non-rigid registration of multi-modal images using both mutual information and cross-correlation

A. Andronache, M. von Siebenthal, G. Szekely, Ph. Cattin

Medical Image Analysis 2007

本論文ではマルチモダリティな画像の非剛体レジストレーションに用いられる新たな指標を提案する.非剛体レジストレーションのマッチング問題を局所的な剛体レジストレーションに分割することは一般的なアプローチである.そして相互情報量(Mutual information)はマルチモダリティな画像同士の類似度の指標として非常に有用であることが知られている。しかし相互情報量を分割された小さな画像に対して用いるにはいくつか問題がある.本論文はその問題を解析し,それを解決するための手法,そして新たな指標を提案する.

(発表者:館 真吾)

Needle insertion into soft tissue: A survey

Niki Abolhassani, Rajni Patel, Mehrdad Moallem

Medical Engineering & Physics 29 (2007) pp413-431

近年,生検や近接照射療法といった低侵襲な経皮的穿刺手技のアプリケーション開発のため,軟組織への穿刺に関する研究が注目を集めている.本論文では,穿刺時に発生する力のモデリング,穿刺時の組織変形や針変形のモデリング,ロボットアシストによる穿刺,穿刺経路の違いによる効果など,軟組織への穿刺に関する研究をさまざまな角度から調査した.また,実際の手術の力データを用いた生体組織層の識別や経路選択,針や組織の変形モデルを用いた穿刺に関する技術について簡潔に紹介していく.

(発表者:森田 慎也)

Three-Dimensional Modeling From Endocopic Video Using Geometric Constraints Via Feature Positioning

Chia-Hsiang Wu, Yung-Nien Sun, and Chien-Chen Chang

IEEE TRANSACTIONS ON BIOMEDICAL ENGINEERING, VOL.54, NO.7, JULY 2007

近年の内視鏡技術の発展に伴い,内視鏡画像からの三次元復元が求められている.従来,単眼カメラ画像から形状復元を行う手法が提案されているが,この場合復元した形状には定数倍の不定性が残る.そのため,復元した形状とCT,MRデータを組み合わせる手法が提案されているが,事前のデータとの位置あわせが必要であることから,術中に用いるには困難であった.本論文では,制約付き因子分解法を提案し,臓器の三次元形状を復元する.本手法では位置センサを用いて幾何学的な制約条件を組み込むことにより,従来の因子分解法に比べてより正確で,かつ世界座標系での形状を取得できる.評価実験により,従来の因子分解法に比べ,精度向上を確認した.

(発表者:岡田 義道)


2007.11.30

Meticulously detailed eye model and its application to analysis of facial image

T. Moriyama, J. Xiao, J. Cohn, and T. Kanade

IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol. 28, No. 5, May, 2006, pp. 738 - 752.

本論分では,目の領域を詳細に分析する装置を開発した.
このシステムでは,瞳の位置やまぶたの外見を復元できる目の微細構造と動きをパラメータ化するモデルを用いている.
構造パラメータは目の個別の構造を表す.瞳の色や大きさ.まぶたの横幅などの細かい部位を示し,動きパラメータはまばたきや瞳の2次元的な位置を示す.そして頭の動きによる見えの変化を補って,目の動きを追跡する.

(発表者:木下 逸人)

Rendering Translucent Materials Using Photon Diffusion

Craig Donner, Henrik Wann Jensen

Eurographics Symposium on Rendering (2007)

本論文では,半透明材質のレンダリングのためのフォトン追跡に光の拡散を組み合わせた新しいアルゴリズムを提案します.この組み合わせによって,物体内部の遮断物や複雑なジオメトリや半透明な相互散乱や内部集光現象を起こさせる物体の境界における光の透過と屈折などを考慮しながら,高い散乱性を持った半透明材質を効率良くレンダリングすることを可能にした.このフォトン拡散アプローチは,従来のダイポールまたはマルチポールモデルに基づいたモンテカルロサンプリングのアプローチと同じ効率でレンダリングができ,半透明材質における光の拡散のシミュレーションにおいては,今までできなかったいくつかの照明による現象を再現できる結果を得ている.

(発表者:Soh Chih Jen)

Automatic Panoramic Image Stitching using Invariant Features

MATTHEW BROWN and DAVID G. LOWE

International Journal of Computer Vision 74(1), 59-73, 2007

本論文では自動で複数の画像を合成してパノラマ画像を生成するフレームワークを提案する.従来,画像の合成にはある程度人の手による補助が必要であったが本システムはそれを必要としない.幾何的な校正にはカメラのアングルや光源の変化,ノイズに強い特徴点抽出法(SIFT)を用いる.また,ゲイン補正やマルチバンド合成を導入することで色校正を行い,画像の継ぎ目をなくす.さらに画像の直線化(合成画像の歪み補正)をすることできれいな出力画像を得る.

(発表者:瀧 圭亮)


2007.12.7

Learning Gaussian Conditional Random Fields for Low-Level Vision

M. F. Tappen, C. Liu, E. H. Adelson, and W. T. Freeman.

Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, 2007.

Markov random field(MRF)はcomputer visionやimage processingの分野でよく用いられている。特にGaussian MRFは行列・線形代数ルーティンで実行できるので、とても有用である。しかし、このGMRFは入力が一様な信号分布(フラットな画像)のとき、over-smoothingやblurなどのアーティファクトを引き起こしやすい。
本論文では、GMRFの弱点を克服したGaussian Conditional Random Fields(GCRM)の学習方法を示す。最後にノイズ除去に適用することでnon-convex Field of Experts modelとの比較を行い、その有用性を示す。

(発表者:伊東 ひとみ)

Matrix Row-Column Sampling for the mane-Light Problem

Milos Hasan, Fabio Pellacini, Kavita Bala

Appears in SIGGRAPH 2007

一般的に複雑なシーンの再現には,環境マップから得られる直接光と多数の間接光の計算が必要になる.これまでの様々な研究では環境光の多数の点光源での近似が行われてきた.本論文ではGPUを使用することで計算時間の短縮を行う.
また,レンダリング時の物体表面と光源の行列計算において,行列自体をサンプリングし圧縮することで計算負荷の削減を行い,間接光を含む複雑なシーンの短時間でのレンダリングを可能にする.

(発表者:大川 亜希子)

Progressively-Refined Reflectance Functions from Natural Illumination

Wojciech Matusik, Matthew Loper, and Hanspeter Pfister

Eurographics Symposium on Rendering (2004)

近年,実物体やシーンの任意環境下における見えを再現する研究が広くなされており,実物体の記録の際には物体を照明する光源をコントロールするための装置が必要である.本論文では,あるシーンのreflectance functionを,自然光下で撮影した画像を用いて取得する方法を提案する.本手法は,各画素のReflectance functionを矩形関数で近似し,全周波数をロバストに推定する.シーンの測定には,室内と屋外二つの環境を用いて行い,提案手法の検証を行う.

(発表者:横山 真紀)


2007.12.14

Superresolution Reflectance Fields: Synthesizing image for intermediate light directions

Martin Fuchs, Hendric P.A. Lensch, Volker Blanz, and Hans-Peter Seidel

Eurographics Symposium on Rendering(2007)

空間内の光線を様々な方向からの照明下,視点位置から取得した2次元画像群を用いてReflectance Fieldとして記録することにより,写実的な再現を行うことができるが,鏡面反射や腐食等,高周波な再現を行うためには,高密度なサンプリングを行う必要があった.本論文では,ある程度のサンプリング間隔で取得された多方向照明画像群から,中間方向から照明されただろう画像を近似することにより,Reflectance Fieldの超解像度化を行う.


(発表者:矢野 菜津三)

Example-Based Regularization Deployed to Super-Resolution Reconstruction of a Single Image

Michael Elad and Dmitry Datsenko

The Computer Journal, Vol. 50, No. 4, pp. 1-16, April 2007

 超解像問題の様な逆問題においてregularization(正則化,規格化)は出力の品質を決める決定的な要因であり,ここ20年間の逆問題における進展の多くはregularizationを形成,実行する方法の発達によるところが大きい.
本論文では近年注目されている新しく強力なregularizationである,example-based(学習型)アプローチに注目し,exampleを用いてどのようにregularizationを形成するかを概説する.
また,著者らによる近年の結果をいくつか紹介する.

(発表者:上村 健二)

A Colour Harmony Model for Two-Colour Combinations

Li-Chen Ou, M. Ronnier Luo

COLOR research and application, Volume 31, Number 3, June 2006

色彩科学の長い歴史において,色の知覚に関する研究は数多く行われてきており,現在CIECAMなどにおいてモデル化されている.このような研究と同様に,二種の色の対が互いに作用し,どのように人の感性に働くかという"Color Harmony"の研究も多く行われてきたが,未だ明確なモデルが存在しない.
そこで本論文では主観評価実験をもとに"Color Harmony"に関する調査を行った.また,実験結果をもとにモデル化を行い,その有効性を検証した.

(発表者:平井 経太)


2007.12.21

Rendering for an Interactive 360º Light Field Display

Andrew Jones Ian McDowall Hideshi Yamada Mark Bolas Paul Debevec

SIGGRAPH 2007 Papers Proceedings

本論文では,360度あらゆる方向から見ることが可能な3Dディスプレイおよびそれを構築するためのレンダリング手法について解説する.このディスプレイは高速プロジェクターと回転鏡,FPGA回路からなり,3次元像を1.25度間隔で360度,毎秒20フレームの描画が可能である.本論文ではディスプレイのジオメトリやキャリブレーション手法,任意の視点に対して正しく透視投影可能な光の投影手法について述べられており,ディスプレイの性能評価やカラー画像投影などの応用についても言及されている.

(発表者:牧野 貴雄)

Automatic patient registration for port placement in minimally invasive endoscopic surgery

M. Feuerstein, S.M. Wildhirt, R. Bauernschmitt, and N. Navab

MICCAI 2005, LNCS3750, pp.287 - 294.

鏡視下手術において適切な位置にポートを作成することは,手術の質向上に重要である.本論文では,ポート位置のプラニングを支援するシステムについて述べる.システムでは,術前に撮影したCT画像から構成される人体の3次元モデルと腹腔鏡画像を重ね合わせて表示する.本システムは,医用ARによく用いられる多くの技術(カメラキャリブレーション,ステレオ視,hand/eyeキャリブレーション,三次元モデル間レジストレーション,医用画像セグメンテーション,ボリュームレンダリング)を組み合わせて構築されている.

(発表者:小石 毅)